【珠紀】は、
「そんな事くらいじゃ無かったと言うことです。
 多分、わたくし達は戻ってこれない。
 【アイヌ国】の別の【適合者】が来るはずです……」
 と言った。
 【凌斗】は、
「別の【適合者】?
 そいつはどういう事だ?」
 と言った。
 【珠紀】は、
「わたくしはこの国に行く前に言われました。
 【お前達の代わりはいる。
 交代させられたくなければ、結果を残して来い】
 ――と。
 つまり、【アイヌ国】だけでもわたくしの代わりの【適合者】は少なくとも1人は居るという事です」
 と言った。
 【凌斗】は、
「そんな……
 せっかく仲良くなれたのに……」
 と言った。
 【岬】は、
「結局――
 私達は国や大人の都合で、振り回されるしか無いって事よ。
 私達の感情や思いなんかどうでも良いんでしょ?
 全く……
 迷惑な話よね……」
 と言ってうっすら涙を浮かべている。
 【岬】も別れが辛いのだ。
 【凌斗】は、
「何とかならねぇのか?
 何とか?
 俺達は絶対に誰にもしゃべらねぇとか何とか言って」
 と言った。
 【岬】は、
「無理ね。
 今までの素行から考えて……
 特にあなたは信用されてないでしょ?」
 と言った。
 【凌斗】は、
「ぐっ……
 それを言われると……」
 と言った。
 確かに【岬】の指摘通り、今まで、散々、抵抗してきた【凌斗】を信用しろと言う方が無理な話だった。
 二の句が付けなかった。

続きます。