例えば、【可純】を失った【東京国】だが、彼女に代わる【女性適合者】は既に発掘していた。
 【可純】以上の適合者であり、本来であれば、【可純】の代わりに【武蔵国】に派遣してもおかしくない。
 だが、【東京国】はそれを渋った。
 【東京国】が見つけた【適合者】のスキルはずば抜けて高く、それを【武蔵国】へ派遣するのは惜しいと考え、彼女の存在は秘匿とし、人身御供の様にして、人格的に問題だった【可純】を使い捨てとして、【武蔵国】に派遣したと言う経緯があった。
 そんな【東京国】の真の【女性適合者】の名前は、【松嶋 佳謡(まつしま かよう)】と言う。
 【佳謡】は、【東京国】で【男性適合者】が見つかった時のためのとっておきとして、存在を隠され、【東京国】で特訓を重ねていた。
 問題は、【佳謡】とペアとなる【男性適合者】である。
 探しても見つからないため、他に選ばれた男性達を使って実験を繰り返していた。
 【ゲノム編集】を行い、DNAをいじくり、擬似的な【適合者】として、【東京国】が保有する【球状形態】の【エントロピア】の前に立たせて、入れるかどうかの実験を繰り返し、男性達はことごとく【可純】の様に首をはねられ死亡していた。
 これは人体実験である。
 このことは決して表沙汰には出来ない事だった。
 そのため、男性は【童貞】である事と言う事以外にも、【天涯孤独】であると言う条件がついていた。
 その条件が合えば、どの様な者でも選ばれて実験に参加させられた。
 だが、どうしても、【男性適合者】は見つからなかった。
 さすがに、【天涯孤独】とは言え、行方不明者が多発しているので市民の方でこれはおかしいと言うデモが起き、政府と市民の間で、もめ事になっている。
 政府は頼りにならない。
 民間で引き受けると言う運動が起きていた。
 【東京国】だけではない。
 【佳謡】の様なとっておきの人材、【女性適合者】を各国は見つけ出していた。

続きます。