「違反していたら死ぬんだぞ。
 それでもやるのか?」
「や、やるわよ……
 それくらい……」
 と言う話になった。
 こうして、【エントロピア】の全パイロットが呼ばれた。
 まずは、【凌斗】から入り、【凌斗】が終わったら、続けて、【女性適合者】が順番に【球状形態】の【エントロピア】に入っていく事になった。
 【可純】は、
(な、なんで……
 何でこうなった?)
 と思っていた。
 実は【増村】司令の指摘通り、【可純】は契約違反をしていた。
 【可純】は【東京国】で付き合っている男性が居た。
 付き合っているだけなら、別に問題ないが、【可純】が【東京国】から【武蔵国】に行くことが決まった夜、彼氏と夜を共にした。
 離れてしまうからと言う理由で身体の関係になったのだが、途中で、契約違反に気付き、どうしようと思っていた所に、【凌斗】が不遜な態度を取っていたのでこれに便乗し、彼を拒絶する事で、【エントロピア】に乗る事を拒否していたのだった。
 【可純】にとってみれば、渡りに船だったので、【凌斗】を悪者にして、【エントロピア】に乗ることを拒否して来たのだが、【可純】と共に拒絶していた二人が彼を許してしまったので、状況が一変したのだ。
 【可純】は、浪費癖があり、【東京国】で多額の借金をしていた。
 その借金を肩代わりする代わりに、彼女は【エントロピア】のパイロットになることを了承していたので、何もせずに【東京国】に戻れば、借金チャラの話は無効となり、働いても返しきれない多額の借金が彼女に残る事になるのだ。
 焦る【可純】。

続きます。