当時の【凌斗】は、
「知らない……
 そんなの知らないよぉ……」
 と言ったが、聞く耳を持って貰えなかった。
 結局、言いがかりで、その先輩に何度も何度も殴られた。
 施設長が、その喧嘩に気付き、仲裁したが、喧嘩両成敗で、【凌斗】も怒られた。
 そして、後でその先輩は嘘をついていた事が判明する。
 【凌斗】をいじめようとして、取られてもいないものを自ら隠し、言いがかりをつけていた。
 その先輩は自分も怒られた事で、逆ギレした。
 その後、仲間と共に【凌斗】をいじめのターゲットにしたのだった。
 【凌斗】にとってみれば因縁をふっかけられて、そのままいじめのターゲットにされたのだから、踏んだり蹴ったりと言って良いだろう。
 その後もいじめはどんどんエスカレートして、【凌斗】は命の危険を感じる様な目に何度も何度もあわされた。
 このままでは殺される。
 何度もそう思った。
 だが、小さかった【凌斗】は耐えるしか無かった。
 耐えて、
 耐えて、
 耐えた。
 だが、ある時、事件が起きる。
 いつもの様に、先輩が【凌斗】をいじめようと【ハサミ】を持ち出したのだ。
 それが、怖くて、逃げ回る。
 逃げて、
 逃げて、
 逃げて、
 逃げた。
 それが面白くて先輩は、
 【凌斗】を追って、
 追って、
 追って、
 追いまくった。

続きます。