【凌斗】は、
「ふんっ。
 タコ野郎。
 ぶっ殺してやるよ」
 と言ってそのまま突っ込んでいった。
 【残違(ざんい)】は【タコ】のスミをはいた――様に見えた。
 だが、実際はスミではない。
 【エントロピア】の中の人間の【精神】に影響する何かだった。
 【精神攻撃】――【残違(ざんい)】の【能力】だった。
「……パパ。
 ママ。
 良い子にしてるから、置いて行かないで……
 置いて行かないで……
 良い子にしてるからぁ……」
 幼い男の子が泣きながら両親を捜している。
 幼い頃の【凌斗】だ。
 【凌斗】は幼い頃、両親に捨てられた。
 まだ、父親の事を【お父さん】や【親父】、
 母親の事を【お母さん】や【お袋】と呼ぶ前に彼は捨てられた。
 突然の出来事だったため、彼はただ泣くことしか出来なかった。
 彼は養護施設で保護された。
 その後も、
「お前が取ったんだろ?」
 と同じ施設で暮らしている先輩に言いがかりを付けられた。

続きます。