「それは違う。
 それはお前の思い上がりだ。
 お前は人の情けで生きている」
「違うね。
 俺は誰の助けも借りてねぇ」
「では何故、お前が生きている?
 お前が普段、食する食べ物も元々は他の人が作ったものだ。
 お前はそれを分けてもらって生きている。
 違うか?」
「食い物は生きていく上で仕方なかったんだ。
 俺にだって生きる権利はある。
 だから……」
「だからなんだ?
 お前が勝手に食料を奪えば、その食料を奪った人の迷惑になる。
 それでもお前は人に迷惑をかけていないと言えるのか?」
「なっ……」
「仮に働いて買ったとしよう。
 それでも、お前は人に雇われて働かせてもらって賃金を得ている。
 世の中を回しているのは人とのつながりだ。
 人は助け合って生きている。
 AIの発達で、働かなくてもある程度は生きていける時代であっても、それは変わらない。
 現在の発展もお前の嫌いな他人が協力して、積み上げて来た努力の結晶だ。
 それにお前は生かされて生きて居るんだ。
 それがわからんのか?
 一人で生きていると言うのは思い上がりだ。
 人は他人に迷惑をかけられて生きている。
 いや、他人を思いやり助け合って生きている。
 お前は借りたままで、何も返さない生き方をして恥ずかしくないのか?」

続きます。