「しっ……
 聞こえるわよ。
 どこで聞いているかわからないんだからね。
 私達には監視の目がついている。
 その事は忘れないで。
 生きるためには、やるしかないの。
 明日のパンを得るために異国の人間を1人でも殺すの。
 それが、【魔神様】の教えなんだから」
「へいへい。
 わかってますよ。
 わかってますとも。
 やりゃあ良いんでしょ。
 やりゃぁ……
 だけどさ。
 僕にだって人の心はあるんだよ。
 何人も殺したらさすがに傷つくよ」
「そんな事言ったって、さっきまで鼻歌まじりに虐殺してたじゃないの」
「仕方ないだろ?
 鼻歌でも歌わないとやってられないよ。
 殺された人間にだって家族や恋人が居たんだろうし、
 それを考えると僕は壊れちゃいそうだからね。
 こうやって歌って、意識を他に飛ばしているのさ。
 ♪ふ~ん~
 ふんふんふふ~ん
 ふんふんふふ~ん
 ふふふふふふふふ~ん
 ふんふふ~ん
 ふんふ~ん
 ふんふんふふ~ん
 ふんふんふふ~ん
 ふふふふふふふふ~ん
 ふんふんふふ~ん
 ふんふんふふ~ん
 ふふふふふふふふ~ん♪」
「どうでも良いけど。
 変な歌ね。
 メロディーが全然、なってないわよ」
「仕方ないだろ。
 音楽が作れなくなっちゃったんだ。
 形だけでも音楽の真似事をしたいんだよ。
 ♪ふ~ん~
 ふんふんふふ~ん
 ふんふんふふ~ん
 ふふふふふふふふ~ん
 ふんふふ~ん
 ふんふ~ん
 ふんふんふふ~ん
 ふんふんふふ~ん
 ふふふふふふふふ~ん
 ふんふんふふ~ん
 ふんふんふふ~ん
 ふふふふふふふふ~ん♪
 ってね」
「あぁ。
 もう、耳障りだわ。
 少しも美しくない。
 音楽って言うのはね。
 こうやるのよ。
 ♪ふ~ん~
 ふんふんふふ~ん
 ふんふんふふ~ん
 ふふふふふふふふ~ん
 ふんふふ~ん
 ふんふ~ん
 ふんふんふふ~ん
 ふんふんふふ~ん
 ふふふふふふふふ~ん
 ふんふんふふ~ん
 ふんふんふふ~ん
 ふふふふふふふふ~ん♪
 どう?」

続きます。