【お美津/千愛姫】は、彼を抱きかかえ、
「【庄助】君っ、
 【庄助】君。
 しっかりしてくれ、
 【庄助】君」
 と揺さぶった。
 【庄助】はゆっくりと目を覚まし、
「あ……
 【お美津】お姉さん……
 実は、僕は1つ秘密にしている事があって……
 僕の名前は【庄助】じゃなくて、【庄之助】なのです……
 ごめんなさい。
 【庄之助】と言う名前はいじめられっ子として有名だったので、見栄を張りました。
 ごめんなさい。
 ごめんなさい。
 ごめん……なさい……」
 と言って涙を流した。
 【庄助】が【庄之助】だったと言うのは本当の事だったのだ。
 【庄之助】の【お美津/千愛姫】に対するちょっとした嘘による心の傷、心の弱さにつけ込んで、【魔神教】の【教徒】、【アルバロ】と言う男が【邪法】を使って彼の身体を乗っ取っていたのだ。
 この【邪法】は【三闘技】で言うところの【融合】とよく似ている。
 【三闘技】の【融合】では生きている人間との【融合】はしないが、【魔神教】では有りの様だ。
 【庄助】改め、【庄之助】は元に戻った。
 だが、彼の身体を使って、町人達を殺したと言う事実は消えない。
 それでも優しい町人達は許してくれるかも知れない。
 だが、その事実は10歳の男の子には重すぎる事実だった。
 ショックで心を閉ざしてしまったのだった。
 あれだけ美しかった【純白】の【気】も今は薄く濁ってしまっている。
 【お美津/千愛姫】は、
「許せん。
 許せんぞ、【魔神教】」
 と怒りをあらわにした。
 【闘月家】本家にもこの事は伝えられた。
 家臣を三人も殺されたのだ。
 【天運】も黙って無かった。
 【天運】は、
「戦じゃ。
 【合戦】じゃ。
 戦の支度をせい。
 我が【藩】も【魔神教】に討って出る」
 と宣言した。

続きます。