もっと他に言うべき事があるだろう。
 【お美津/千愛姫】は、
「しょ、【庄助】君。
 何があった?
 何があったんだ君に?
 私が居ない間、何が君にあったんだ?」
 と尋ねた。
 【庄之助】は、
「だから、【庄助】じゃなくて、【庄之助】だって言ってるだろ?
 わかんない女だなぁ……
 まぁ、良いや。
 頭悪そうだから、騙して後で喰ってやろうと思ったけど、正直に話すわ。
 喰っちゃいましたぁ。
 お前の大好きな【庄助】君は喰っちゃいましたぁ。
 噂の【戦姫】って奴がどんなやつかと思ってねぇ。
 からかってやろうと思ってさぁ。
 お前の事を好きなガキが居たからこう言ってやったんだ。
 お前はあの人に釣り合う男になりたいのか?
 ならば叶えてやろう。
 年齢。
 目。
 身分。
 全部、俺が何とかしてやるってな。
 そしたら、お前、このガキなんて言ったと思う?
 僕は、あの人が高貴な身分の方だと言うことも知っています。
 自分より年上の女性であると言うこと。
 【目】のハンデ。
 それら全部ひっくるめて、僕はあの人の隣に行けるような人物になりたい。
 だってよぉ。
 お前みたいな良い女がこんなガキの相手なんか本気でする訳ないのになぁ~。
 からかわれている事を知ってて、純粋に思ってやがった。
 バカじゃねぇのか?
 一国の姫が貧乏長屋の小せがれなんか相手にすっかよぉ。
 なぁ?
 ――安心しな。
 俺がこのガキに代わってお前をたっぷり楽しませてやっからよぉ~
 ひゃはははははっ」
 と言った。
 【お美津/千愛姫】は、
「黙れ、下郎。
 それ以上、【庄助】君を穢すなっ」
 と怒鳴った。
 怒髪天を衝く。
 あまりの怒りでぷるぷると震えだした。
 初めてだった。
 初めて、相手を殺してやりたいと【お美津/千愛姫】は、思ったのだった。
 【北里 礼花】は、
「姫様。
 雑魚はわたくしが」
 と言った。
 【お美津/千愛姫】は、
「任せた。
 こいつだけは。
 こいつだけは妾が斬る。
 斬って捨てる」
 と言った。

続きます。