【お美津/千愛姫】も、
「うむ。
 承知しておる」
 と言った。
 すると、18の影が現れた。
 影だけが出現し、その影から本体が現れた。
 まるで忍術の様だ。
 【お美津/千愛姫】は、
「【礼花】っ。
 気をつけろ。
 こやつらただ者ではない」
 と言った。
 【北里 礼花】は、
「はい。
 姫様」
 と言った。
 目の前の刺客は全員、【虚無僧(こむそう)】の様な姿をしている。
 その中の1人が顔をあらわにした。
 その顔にはどことなく見覚えがある。
 だが、そんなはずはない。
 そんなはずはないのだ。
 だが、それはどうみても……
 いいや。
 そんな事はあり得ない。
 あり得るはずがないのだ。
 【お美津/千愛姫】は動揺する。
 その動揺に気付いたのか、その男は口を開く。
「やぁ。
 お姉さん。
 僕の事、忘れちゃったのかな?
 僕だよ。
 僕。
 【庄助】だよ。
 【庄助】。
 だけどね。
 お姉さんに1つ嘘をついてたんだ。
 ごめんね。
 僕の名前は【庄助】じゃなくて、【庄之助(しょうのすけ)】って言うんだ。
 ごめんねぇ~
 傷ついたよねぇ……」
 と言った。
 【庄助(庄之助)】?
 どういう事だ。
 目の前の男はどう見ても【お美津/千愛姫】より年上だ。
 二十歳かそこらに見える。
 【お美津/千愛姫】が知っている【庄助】は十歳の少年で、半分の年齢だ。
 それに、【気】が違う。
 【庄助】は【純白】の【気】だ。
 何者にも染まらない、綺麗な【白】だったはず。
 だが、目の前の男から感じる【気】は明らかにどす黒い。
 真っ黒だ。
 とても同一人物だとは思えない。
 他にもある。
 彼は盲目だったはず。
 だが、目の前の男ははっきりと目が見えている様だ。
 全然違う。
 全くの別人だ。
 そう、思う。
 思いたい。
 だが、雰囲気が一緒なのだ。
 全く一緒なのだ。
 【庄助】のものと同じ雰囲気を纏っている。
 1つついていた【嘘】が【庄助】じゃなくて【庄之助】だったって?
 そこじゃない。
 そこじゃないだろ?
 【嘘】はそこじゃないだろ。

続きます。