「【姫様】。
 出てきてくださりませんと困ります。
 【姫様】。
 お願いいたします。
 【姫様】」
 と【侍女】達が探している。
 【千愛姫】の廻りでもいつもの光景が広がっていた。
 彼女は何処に?
 彼女は当然、また正体を隠し、城下町に来ていた。
 彼女を確認した町人達は、
「お、【おみっちゃん】今日も元気だねぇ」
「あらっ、
 【おみっちゃん】。
 ちょいとこれ、試食しておくれよぉ」
「今日も綺麗だねぇ、【おみっちゃん】。
 俺と付き合わないか?」
 と話しかけていた。
 町人達の台詞も元に戻っている。
 【幸士郎】が【婿入り】してしまった時のショックからは立ち直っている様で【お美津/千愛姫】の表情も明るい。
「お、【おみっちゃん】今日も元気だねぇ」
 と言う事には、
「うん。
 【源】さんも元気ねぇ」
 と答え、
「あらっ、
 【おみっちゃん】。
 ちょいとこれ、試食しておくれよぉ」
 と言う言葉には、
「どれっ?
 うん。
 美味しい。
 これいけるよ、おばちゃん」
 と答え、
「今日も綺麗だねぇ、【おみっちゃん】。
 俺と付き合わないか?」 
 と言う言葉には、
「ごめんね、【長】さん。
 私、好きな人居るのよ。
 気持ちはありがとうね。
 ホントにごめんね」
 と答えていた。
 いつもの答えだ。
 いつもの【おみっちゃん】が帰ってきたと町人達は喜んだのだった。
 【お美津/千愛姫】の回復に伴って町に活気が戻った様だった。
 町の人達の反応も嬉しかったが、それよりも、ここ一ヶ月、【庄助エキス】が足りていない。
 戦による高ぶりは抑えてから来ている。
 後は少しでも早く、【庄助】に会いたいと思い、【お美津/千愛姫】は駆け足で、【庄助】がいつも居る場所に急いだ。
 早く、
 早く【庄助】に会いたい。
 その気持ちが強くなって行く。
 【庄助】は、
 あの美しい少年は何処に?
 あれ?
 居ない?
 【庄助】が居ない?
 何処に?
 何処に行ったんだ?

続きます。