それでも、
「ま、まだまだぁ。
 女にも。
 女だってやれるんです。
 女だって……」
 と並々ならぬ気迫を感じさせた。
 敵わぬとわかっていても【千愛姫】に立ち向かう姿は見事と言うよりほか無かった。
 最後は、決して【降参】、【参った】とは言わずに、
「まだ、やれる。
 やれるんです。
 やれ……る……
 やれるんです……」
 と言って気絶した。
 【審判】が、
「そこまで。
 【千愛姫】様の勝利」
 と宣言する。
 【千愛姫】は、
「【北里 礼花】だったな。
 覚えておこう。
 間違いなく、そなたが一番の強敵だった。
 そなたは我が【藩】がいただく。
 今はしばし、眠るがよい」
 と言って温かい目で彼女を見守ったのだった。
 さらに、
「あの男の部下にしておくのは本当に惜しい。
 間違いなく一番欲しい人材だ。
 今回ほどやって良かったと思った試合は無かったぞ」
 と言う最大の賛辞を送ったのだった。
 以上がプレイバックとなる。
 こうして、【求婚試合】も無事、【千愛姫】の48連勝で幕を閉じたのであった。


第十章 消えた【庄助】


 一ヶ月にも及んだ【求婚試合】も終了し、【千愛姫】にいつもの平穏が訪れる。
 城では、
「【姫様】。
 【千愛姫】様。
 どこへおいでですか?
 【千愛姫】様?」
「またですか?
 【姫様】。
 お願いです。
 出てきてくださいまし。
 【姫様】」

続きます。