【千愛姫】は、
「よかろう。
 かかって来るがよかろう」
 と言って向かえうつつもりだった。
 【北里 礼花】は、
「では、参ります。
 はっ……
 わたくしは【波紋曼荼羅(はもんまんだら)】第四郭(だいよんかく)鬼神龍(きしんりゅう)でございます、
 わたくしは【波紋曼荼羅(はもんまんだら)】第四郭(だいよんかく)鬼神龍(きしんりゅう)でございます、
 わたくしは【波紋曼荼羅(はもんまんだら)】第四郭(だいよんかく)鬼神龍(きしんりゅう)でございます、
 はっ……」
 と唱えた。
 ここまでは普通だ。
 これまでの対戦相手と変わらない。
 だが、続けて、
「はっ、
 はっ、
 はぁっ、
 出でませ【波紋曼荼羅(はもんまんだら)第五郭(だいごかく)炎蛇龍(えんじゃりゅう)】、
 出でませ【波紋曼荼羅(はもんまんだら)第五郭(だいごかく)炎蛇龍(えんじゃりゅう)】、
 出でませ【波紋曼荼羅(はもんまんだら)第五郭(だいごかく)炎蛇龍(えんじゃりゅう)】、
 はぁっつ!」
 と唱えた。
 何と、自身に【鬼神龍】を【憑依】させながら、【炎蛇龍】を【召喚】して見せたのである。
 今までも、【憑依】と【召喚】を使いこなす者は居た。
 だが、同時にそれを行う事など常識からは考えられなかった。
 なぜならば、【憑依】とは、自分自身に他の何かを【憑依】させる事で意識を持って行かれる行為であり、意識を出したものに集中する【召喚】が同時に出来るとは思えなかった。
 それがこなせるのは【千愛姫】だけだと思っていたのだ。
 だが、ここにも1人いた。
 しかも女性だ。
 【千愛姫】は、
「なるほどな。
 確かに秘蔵っ子と言われるのも合点がいく」
 と答えた。
 続けて、
「ではこういうのはどうじゃ?」
 と言って、
 自分自身には【階段曼荼羅(かいだんまんだら)第三段(だいさんだん)宝極鬼(ほうごくき)】を【憑依】させ、
 【螺旋曼荼羅(らせんまんだら)第三巡(だいさんじゅん)崩壊龍(ほうかいりゅう)】を【召喚】、
 さらに、【波紋曼荼羅(はもんまんだら)第七郭(だいななかく)荘厳明王(そうごんみょうおう)】と【波紋曼荼羅(はもんまんだら)第七郭(だいななかく)馬牛頭明王(ばぎゅうとうみょうおう)】を出現させて【融合】させて見せた。
 そう。
 【憑依】、【召喚】、【融合】を全て使って見せたのだ。
 しかも【融合】では(05)神仏(しんぶつ)の位の存在を出現させていた。
 【北里 礼花】は、
「凄い……
 でも負けません……」
 と言って彼女も【物の怪】/【鏡老婆(かがみろうば)】と【物の怪】/【影魔王(かげまおう)】を呼び出して【融合】させ、【鏡影翁(きょうえいおきな)】と言う存在にして、立ち向かった。
 そう。
 彼女もまた、【憑依】、【召喚】、【融合】を全て使って見せたのだ。
 【憑依】、【召喚】、【融合】対【憑依】、【召喚】、【融合】。
 その闘いは凄まじいものだった。
 3対3の乱戦になった。
 だが、さすがに格下の存在しか出せていない【北里 礼花】の方が劣勢だった。

続きます。