「夢があります。
色んな事をしたいと言う夢がありまする」
「何をバカな事を言っているのです。
夢などと。
夢でお家が繁栄するものですか」
「します。
絶対にします。
だから、妾は誰とも結婚いたしませぬ。
妾が好いておるその殿方以外と結婚する事などあり得ませぬ。
母上が黙って認めてくれるまで妾の気持ちは変わりませぬ。
誰とも付き合いませぬ。
結婚もしません」
「強情は子ね。
なんでそこまでむきになるの?
女の幸せはね。
強い旦那様と結婚して、たくさんの子を産む事。
世継ぎを生む事なのです。
それがわからないのですか?」
「わかりませぬ。
女は出産の道具ではございませぬ。
妾は女の自立を目指しております。
それが夢でございまする。
その夢を邪魔する事は誰にも出来ませぬ。
母上とてそれは同じ事です」
「……まったく。
とにかく、来週から【求婚試合】。
それは受けてもらいますからね」
「わかりました。
ですが、全て勝ちます。
今回も【嫁入り】はいたしませぬ」
「それならそれでうちは家臣と資金が増えるからよいのですけどね。
でもいつまでも求められていると思ったら大間違いなんですからね。
いつかは殿方と結ばれねば……」
「用があるゆえ、失礼します」
「【千愛】っ……」
「ごめん……」
「はぁ……
まったく、あの子は……」
と言うやりとりがあった。
結婚問題で【千愛姫】と【美波】の意見は平行線だ。
価値観がそもそも全く違うので折り合いが全くつかない。
いつもの事だった。
【千愛姫】は、
「……なんでじゃ。
何で母上は妾を結婚させたがるのじゃ?」
と言いながらイライラして自室に向かった。
手には一応、母から渡された【求婚者】達の書かれた巻物がある。
その【求婚者】達だが、今回の10名は以下の様になっている。
(01)【猛月藩(もうづきはん)藩主】とその【第一側妻】の次男、【猛月 源流斉(おうづき げんりゅうさい)】、
(02)【豪月藩(ごうづきはん)藩主】とその【正妻】の三男、【豪月 真太郎(ごうづき またろう)】、
続きます。