第七章 三月に一度の【求婚試合(きゅうこんじあい)】1


 【千愛姫】は、実母【闘月 美波(とうづき みなみ)】に呼び出しを受けた。
 【千愛姫】が、
「母上。
 何用でございますか?」
 と尋ねると、【美波】は、
「そろそろね。
 次回はこの10名の殿方に決まりました。
 目を通しておく様に」
 と答えた。
 【そろそろ】?
 それはどういうことか?
 それは、【千愛姫】は三月に一度、【求婚試合(きゅうこんじあい)】というものをやっているのだ。
 【千愛姫】はモテる。
 その容姿も相まって、非常にモテるのだ。
 さらに、武将としての実力も折り紙付きだ。
 【藩】としては喉から手が出るほど、欲しい存在なのである。
 だが、当の本人は【婚礼決戦】をやろうとしない。
 【婚礼決戦】は男性と女性。
 その両方の【家】が納得しないと成立しないのだ。
 先の【幸士郎】と【百合姫】の【婚礼決戦】も双方が望んだからこそ、実現した事なのだ。
 そのため、【千愛姫】がうんと言わなければ、【婚礼決戦】とはならない。
 この場合、通常の【藩】では【藩主】の命令でうんと言わせるのだが、【闘月藩】の藩主は【天運】である。
 【天運】は【千愛姫】を溺愛しているため、手放したがらない。
 なので、【千愛姫】の意見に賛同しているのだ。
 だが、母、【美波】としては【千愛姫】が【行かず後家】となってしまう恐れもあるのでそれは承伏しかねる事だった。
 苦肉の策として、【美波】が思いついた手が、【千愛姫】は自分をめとりたくば、彼女に勝てと言っていた事を逆手にとったものだった。
 【求婚試合】として、求婚者が【求婚手数料】を支払う事によって【千愛姫】に求婚のための【闘い】を申し込む事が出来るという事にしたのだ。
 【天運】には、多額の【求婚手数料】が入るからと言って納得させているのだ。

続きます。