逆に、【鏡月藩】は、
 【鏡月 幸士郎】、
 【平田 泰善】、
 【的場 尚三】、
 【山田 丈二】、
 【木村 直弼】、
 【大道寺 鉄心】、
 ――と言う優秀な人間を6名得た。
 終わって見れば、【闘月藩】の負け戦となったのだった。
 【祝月藩】を舞台にした【闘月藩】と【鏡月藩】の【婚礼決戦】はこうして幕を閉じたのであった。


第六章 癒しを求めて……


 【幸士郎】が【婿入り】してから、10日ほど、【千愛姫】はぼんやりしていた。
 何もする気が起きず、ボーッとしていた。
 それぐらい【幸士郎】の存在は彼女の中で大きかった。
 自分が出ていれば。
 そんな後悔があった。
 だが、実際に出ていたとしても団体戦なので、負けていた可能性がある。
 当主の娘なので、団体戦で負けたとしても本人が負けない限り、【鏡月家】に行くことは無かったが、それでも、兄は【婿入り】していただろう。
 兄が【百合姫】との結婚を望んでいた限り、それは避けられない事だった。
 そう納得するのに10日間かかった。
 だが、いつまでも落ち込んでいたら、自分の身を案じてくれた兄に申し訳ないと考える様になり、【千愛姫】は【お美津】として、また、町に繰り出すことにした。
 侍女達の、
「【姫様】。
 【千愛姫】様。
 どこへおいでですか?
 【千愛姫】様?」
「またですか?
 【姫様】。
 お願いです。
 出てきてくださいまし。
 【姫様】」
「【姫様】。
 出てきてくださりませんと困ります。
 【姫様】。
 お願いいたします。
 【姫様】」
 ――と言う言葉はいつもの事である。
 町に繰り出すと、
「お、【おみっちゃん】今日も元気だねぇ」

続きます。