【鏡月側】の采配に間違いは無かった。
 天才肌の【千田 万次郎】を起用した事で勝利をもぎ取ったのであった。
 やはり、三霊同時に操ると言うのは難しかった。
 その隙をつき、【千田 万次郎】は渾身の一撃を【木村 直弼】に喰らわしたのだ。
 【千愛姫】は、
「そ、そんな……」
 と絶句した。
 【幸士郎】は、【千愛姫】の元に行って、
「【千愛】殿。
 約束を守れずすまない。
 名残惜しいが、これからは、【闘月】では無く、【鏡月 幸士郎】として生きていく所存。
 達者でな」
 と言った。
 【千愛姫】は、
「そんな……
 兄上……」
 と言って涙した。
 【幸士郎】は、
「もう、そなたの兄ではない。
 そう、申しておろうが。
 私の名前は【鏡月 幸士郎】。
 【鏡月家】の人間じゃ。
 泣くでない。
 そなたは最強の【戦姫】じゃ。
 その【戦姫】がこのような事で涙してなんとする?」
 と言った。
「で、ですが……妾は、誰に、
 誰に相談すれば良いのですか?」
「あの男の子の事か。
 そうだな、それだけが心残りじゃ。
 そなたとその子の仲を取り持ちたいと思うておったのじゃが」
「兄上ぇ……」
「兄上では無いと申しておろうが。
 泣くな。
 私まで泣きたくなるであろうが……
 これでは心配で【鏡月家】でやっていけぬ。
 安心させておくれ。
 なぁ、【千愛】殿」
「……。
 ぐすっ。
 わかりました。
 【幸士郎】……殿。
 【百合姫】殿と末永くお幸せに……」

続きます。