彼女は1人で5人全員と戦えると思っているのだ。
 【幸士郎】は、
「それなんだが、【千愛】殿。
 それは無理になった。
 あいすまぬ」
 と言った。
 【千愛】は、
「なんと。
 1人では5人と戦えぬと申すのか?
 では1対1でと言うことじゃな?
 妾はそれでもかまわぬよ。
 1勝は確実だと思ってもらってかまわぬよ」
 と言った。
 【幸士郎】は、
「そうじゃないんだ。
 【千愛】殿。
 そなたの参加は認めぬと父上に言われて来た」
 と言った。
「なんと?
 兄上の【婚礼決戦】なのに、妾を出さぬと申すのか?
 なにゆえじゃ?
 なにゆえ、父上はその様なざれ事を?」
「先方がな。
 そなたを出せば、破談にすると申して来たそうじゃ。
 だから、そなたは出せぬと。
 そう申された」
「納得がいきませぬ。
 何故です?
 家族の問題でしょう?
 家族が出てしかるべきではございませぬか?」
「そなたの力は強すぎる。
 それでは、五分の勝負が出来ぬ。
 つまりはそう言う事らしい。
 無念だが、私もそなたの力を借りる訳には行かぬ。
 【百合姫】との婚礼は私も楽しみにしていたのでな。
 破談になり、【百合姫】が誰か他の者と婚礼をする事を考えれば、条件をのむより他あるまい」

続きます。