【幸士郎】は、
「父上。
 私が選んでもよろしいのですか?」
 と聞いた。
 【天運】は、
「うむ。
 かまわぬぞ。
 ただし、【千愛】は駄目だ。
 【千愛】以外で選べ」
 と言った。
 【幸士郎】は、
「ち、【千愛】殿は駄目なのですか?
 何故ですか?
 【千愛】殿は出てもかまわぬと申してくれたのですよ」
 と言った。
 【幸士郎】と【千愛】は異母兄妹に当たるのだが、【千愛】の事は妹としてではなく、【正妻の子】として、敬っている。
 そのため、【千愛殿】と呼んでいるのだった。
 【天運】は、
「そう、残念がるな。
 先方が、【千愛】を出すならこの婚礼は無しじゃと言ってきておるのじゃ。
 【千愛】の一騎当千の【力】は有名じゃからな。
 【婚礼決戦】で【千愛】を使うのは承伏出来ないと申しておる。
 破談にする訳にも行かぬ故、【千愛】は無しと言うことで決まったのじゃ。
 【千愛】の手を借りずとも我が【闘月】には、勇猛な者が多い。
 その中から選ぶが良い。
 そなたとて、破談になるのは承伏しかねる事であろう?」
 と言った。
 【幸士郎】は、
「は、はい。
 その通りです。
 ですが、【千愛】殿が参加しない事で確実に取れる1勝が無くなったと言うことでもあります」
 と言った。
 【天運】は、
「そうじゃのう。
 そう言うことなるかのぅ。
 じゃが、ワシとて、そなたも手放しとうない。
 それは真じゃ。
 じゃから、【千愛】以外は好きに選べとこう申しておる。
 それでは不満か?」
 と言ってなだめる。

続きます。