この戦乱の世では早ければ13歳で嫁ぐ者も居る。
武家に生まれ、17歳の現在まで相手が決まっていないのはそれだけ珍しい事であった。
だが、【天運】は【千愛】を【溺愛】しており、手放したく無かった。
それもあって、【千愛】は特定の許婚が居なくても良しとされていた。
中には生涯だれとも添い遂げる事無く独身で過ごすと言う者も居る。
その者は【武】に生きたり、
【芸】に生きたりしている。
【千愛】もそれでかまわないと思っていた。
当主と【千愛】の利害は一致している。
母だけが反対だった。
第四章 婚礼決戦(こんれいけっせん)1
【闘月家】では【婚礼決戦(こんれいけっせん)】の準備が行われていた。
【第一側室の長男】、【闘月 幸士郎(とうづき こうしろう)】の【婚礼】が決まったからだ。
相手の女性は、【鏡月藩(きょうづきはん)】の【藩主】と【第一側室の長女】、【百合姫(ゆりひめ)】だ。
共に【藩主】と【第一側室】の【子供】と言うことで、【脳戦(のうせん)】による交渉が続いたが、どちらも一歩も引かずに難航。
よって【決戦】によって【婿入り】か【嫁入り】かを決める事になっていた。
それぞれの【藩】で代表者5名を選別。
1対1で闘い、先に3勝した方が勝利となると言う取り決めが行われた。
そこで、代表者5人を誰にするかの会議が行われた。
会議に参加するのは、【闘月家】からは、
(01)【当主】/【闘月 天運(とうづき てんうん)】、
(02)【当主の正妻】/【闘月 美波(とうづき みなみ)】、
(03)【当主の第一側妻】/【闘月 庸子(とうづき ようこ)】、
(04)【当主の第二側妻】/【闘月 真衣(とうづき まい)】、
(05)【当主の第三側妻】/【闘月 小百合(とうづき さゆり)】、
(10)【当主と第一側室の長男】/【闘月 幸士郎(とうづき こうしろう)】、
(11)【当主と第一側室の次男】/【闘月 桃士郎(とうづき こうしろう)】、
(12)【当主と第一側室の長女】/【闘月 千晴(とうづき ちはる)】、
(13)【当主と第一側室の次女】/【闘月 千雪(とうづき ちゆき)】、
――の9名と、
【闘月家】【10老長(じゅうろうちょう)】と呼ばれる相談役重鎮達だった。
【10老長】とは【闘月家】の武将――では無く、武将を引退した者達の事である。
家臣である武将達はこの場には参加していない。
こういう事は【闘月家】本家と【重鎮達】で語られる事になっている。
【10老長】のメンバーは、
(01)【葛西 重吾(かさい じゅうご)】、
(02)【村上 茂治(むらかみ しげはる)】、
(03)【東城 大作(とうじょう だいさく)】、
(04)【城島 洋介(きじま ようすけ)】、
(05)【田山 高雄(たやま たかお)】、
(06)【志藤 光政(しどう みつまさ)】、
(07)【堺 半兵衛(さかい はんべえ)】、
(08)【藤田 三郎(ふじた さぶろう)】、
(09)【滝川 祐太朗(たきがわ ゆうたろう)】、
(10)【長瀬 作造(ながせ さくぞう)】、
となっている。
どのメンバーも長年、【闘月家】に使えてきた重臣達だ。
【葛西 重吾(かさい じゅうご)】は、
「殿。
【幸士郎】様の【婚礼決戦】の代表者はいかように決めなさるのですか?」
と聞いた。
【天運】は、
「うむ。
それなんじゃが、【幸士郎】はどのような者がふさわしいと思う?
そなたの【婚礼】じゃ。
まずはそなたの意見を聞きたい」
と言った。
続きます。