【庄助】は、
「僕も幸せですよ。
 【お美津】お姉さんがこうして話しかけてくれますので。
 僕なんかの相手は誰もしてくれないと思っていましたので。
 お姉さんが話しかけてくれた時は本当に嬉しかったです。
 こうして、いつもお声をかけてくださいますし。
 ありがたいと思っていますよ。
 いつもありがとうございます」
 と言った。
 【お美津/千愛姫】は、
「ううん。
 そんな事より、手術の話。
 受けて見る気はないの?
 私、出すよホントに」
 と言った。
 【お美津/千愛姫】は【庄助】の目を治すための【手術】を受ける様に以前から言っていたのだ。
 【庄助】は、
「ありがとうございます。
 お気持ちだけいただいておきます。
 ですが、この目が悪いのは【天】から与えられた試練だと思っていますので、自分の力で手術費を稼いで、受けたいと思っています。
 自分の力で。
 それが僕の誇りです」
 と言った。
 【お美津/千愛姫】はキューンとなる。
「そ、そうだね」
 と言って納得した。
 そうなのだ。
 【庄助】は自立をしようとして一所懸命なのだ。
 ハンデを背負ってもそれを恨んだりせず、自分の力で克服しようとしている。
 その姿が【純白の気】を維持している最大の理由だった。
 下手に【お美津/千愛姫】が手を貸せば、この【真っ白】な【気】がよどんでしまうかも知れない。
 そう、思うと強引に【手術】を受けさせる事が出来なかった。
 出来る事と言えば、このまっすぐな少年がまともに生活出来る様になるために、間接的に手助けする事だけだった。
 一口に間接的と言っても難しい。
 例えば、お金を拾ったと言うことにして、【庄助】に渡そうとしても、
「これは、落として困っている方が居るはずです。
 役所に届け出ましょう」
 と言って懐に入れる事を拒否するのだ。

続きます。