は?
 言っている意味がわからない。
 何を言っているのだろうかこの女性は?
 ――と【春日井氏】は思った。
 その疑問に対して、【チェルシー】は、
「ご主人様は気絶しながら、【黒い彫刻画】を壊したにゃん」
 と言っていた。
 ん?
 どういう事?
 良くわからない。
 頭がこんがらがる。
 状況を整理したい。
 そう思っていると、【紅礼緒】は、
「なら、無意識に倒したんですね。
 凄いです。
 【黒い彫刻画】は1枚1枚、特殊能力を持っているのです。
 9番の【古き良き時代の乙女の肖像彫刻画】は昔の光景を見せる力があったとされています。
 魅了された者に【古い時代】の人物をあてがって、虜にして魂を引き抜く力があります。
 もう何千人も犠牲になっていた【黒い彫刻画】で倒すのに四苦八苦していたんです。
 でもあなたは何だか知らないアイテムを取り出して、あっという間に【黒い彫刻画】を破壊して見せた。
 凄いです。
 本当に。
 あなたはもしや、【黒の魔王】の恋人の生まれ変わりでは?」
 と言った。
 すると、何か?
 自分は9番の【古き良き時代の乙女の肖像彫刻画】に幻影を見せられその気になっていたと言うのだろうか?
 じゃあ、初めて好きになった【古都】さんはとっくの昔に亡くなっていて……
 そう言えば彼女は昔っぽい服装だったなと鈍い彼は改めて気付いた。
 【春日井氏】は、
「そ、そんなぁ……」
 とつぶやいた。
 全てをかけて愛そうと思っていた女性は過去の女性で、今は居ない。
 そう言う事なのか?
 【紅礼緒】は、
「運命を感じちゃいますぅ。
 これはご先祖様がお導きになってくれたのですね」
 と言った。
 【春日井氏】は、
「ご先祖様?
 それって君は……」
 と聞いた。
 【紅礼緒】は、
「はい。
 子孫になりまぁ~す」
 と答えた。

続きます。