【春日井氏】は思った。
(ん?
 ………。
 これは、ひょっとして何も進んでいないのでは?)
 と。
 そう。
 今までの4回の冒険は【魔王討伐】までの終盤に仲間になり、あっという間に【魔王】を討伐して、そのまま大して思い入れも無いまま、仲間と別れていたが、今回はじっくりと冒険をする事になるかも知れないと。
 ならば、【古都】とも深い仲に慣れるかも知れないと。
 そう考えると不謹慎だが、ちょっとウキウキした気分になったのだった。
 【春日井氏】は、
「お任せください。
 【古都】さん。
 僕が力になりますから……」
 と言った。
 その瞬間――辺りがぼやけて来た。
 何だか気持ちが悪い。
 頭がくらくらする……
 【春日井氏】は、
「う、う~ん……
 こ、ここは?」
 と言った。
 気付いたら目の前には【古都】の姿は無く、【チェルシー】が、
「ご主人様っ。
 ご主人様っ。
 しっかりしてくださいにゃん」
 と言った。
 【春日井氏】は、
「……あ、あれっ?
 こ、【古都】さんは?」
 と聞いた。
 【チェルシー】は、
「何を言っているにゃん?
 ご主人様は、昼食にあたって今まで倒れてたにゃん」
 と言った。
 【昼食】?
 あぁ、そうか。
 昼間の【百花繚乱】を食べて……
「ちょっと待て。
 どこからが本当なんだ?」
 と言った。

続きます。