「そう……なのですか?
私なんかで本当によろしいんですか?」
「あなたが良いんです。
あなたじゃ無ければ駄目なんです」
「嬉しい……
夢の様なお話です。
ですが、【黒の魔王】は危険です。
あなたを巻き込む訳には……」
「危険ならばなおのことです。
こう見えて、僕は強いのです。
4回ほど【魔王討伐】を果たしております」
と言った。
初めてだった。
自分から、【魔王討伐】に参加したいと思ったのは。
恋するのも初めてだ。
だから興奮した。
夢中になった。
何とか【古都】の力になりたいと思ったのだった。
【古都】は少し迷ったが、【彫刻画女傑】と【黒の魔王】の事を話してくれた。
彼女の話によると、【黒の魔王】とは、普通の人間だった存在が【魔王化】した者だという。
2人の超天才が居た。
取得不可能とされていた【彫刻画師】の(02)【会友】に到達した2人だ。
後は、最高ランクとされる(01)【永世名人】になれるのはそのどちらかだとされていた。
だが、同時に2人は恋人同士でもあった。
将来を誓い合った仲でもあったのだ。
超天才同士、惹かれ合ったのだろう。
才能は男性の方が僅かにあり、女性の方は少し劣っていた。
先に(01)【永世名人】になれるのは男性の方だろうと思われていた。
――だったのだが、時代はそれを許してくれなかった。
女性の方のファンが男性を刺殺してしまったのだ。
女性はショックを受けた。
が、同時に安心もしていた。
女性は男性の才能に【嫉妬】していたのだ。
僅かに高い男性の【才能】に対して、良くない感情を抱いていたのだ。
男性の死亡によって自分がトップに立てる。
そんな気持ちも強かった。
いや、だんだん強くなった。
彼女は愛するという気持ちよりも、自分がナンバー1になりたいと言う【欲望】の方を受け入れたのだ。
続きます。