【段位証】は上の12段に入らないと貰えないので、それ以外は【準備届け】というものが登録されているだけで、特に何も貰わないのだ。
【春日井氏】も(24)【ランク無し】から初めて、ランクを上げて行ったが、(14)【2級】の所で挫折して、それ以上、上はねらえなかった。
天才肌の【春日井氏】でさえ、そのレベルなのだ。
それだけ、狭い世界であると言えた。
正式に【彫刻画師】と呼ばれるのは(01)【永世名人】から(12)【初段】までの12段のランクのみで、後は【みならい彫刻画師】、もしくは【みならい】と呼ばれている。
1000人居ないと言われているのも上の12ランクまでに入っているのが、それだけしか居ないという事を指している。
1人ではなく、複数名で協力して【彫刻画】を作れる身分である下の12ランクの者達は、450万人とも言われる存在が居るらしいが、そこから抜け出して、上位12ランクに入れるのはほんの一握りだと言われている。
残念ながら【春日井氏】はその中に含まれて居なかった。
【春日井氏】も【みならい】と言うことになる。
自分が成し遂げられなかったからこそ、彼は【彫刻画師】と言う職業に憧れていた。
出来れば、【彫刻画師】になりたいと思っていた。
だが、それが出来ないので彼は【発明技能師(はつめいぎのうし)】という彼だけの職業になっていた。
それはそれで凄い事なのだが、やはり一度挫折したと言うのもあって、【春日井氏】は【彫刻画師】に対して強い劣等感を持っていた。
自分にはなれない憧れの職業なのだ。
そんな話を【チェルシー】に話して聞かせたのだった。
まさか、この先の旅で、5番目の【魔王】関連として、その【彫刻画】が関わって来る事など夢にも思って居なかった。
第六章 5番目の勧誘――気付いたら終盤だった
【クイーンハイランダー号】での旅も半ばまでさしかかった時、停泊(ていはく)した【港】から、新たな乗客が乗り込んできた。
その中に、【春日井氏】を次の冒険に誘う、【女性】が混じっている。
そんな事は露ほども知らずに、
「この料理、美味しいねぇ」
と言っていた。
続きます。