【春日井氏】は、
「あぁ。
 あれかい?
 あれは、そうだねぇ。
 珍しいね。
 【彫刻画(ちょうこくが)】の画商さんだね」
 と答えた。
「【彫刻画】?ってなんですかにゃん?」
「うん。
 それはね。
 簡単に言ってしまえば、【彫刻】と【絵画】を合わせた【芸術】だね。
 ほらっ。
 見てご覧。
 あれは普通の【絵画】の様に額縁の中に【絵】が描いてある。
 だけど、その中に登場している人物は【彫刻】で出来ていて、色が塗ってある。
 景色は【絵】だけど、その中の人物を立体的な【彫刻】で作っている。
 そう言う総合芸術だよ。
 あれはねぇ。
 作るのに緻密な計算を必要としているんだよ。
 【絵】を描く技術と【彫刻】を彫る技術。
 そして、それを合わせる【絵】と【彫刻】の【融合】の技術を必要とするかなり難しい技術なんだ。
 あれを1人で作れる人は世界中探しても1000人も居ないと言われているんだ。
 それだけ高い技術を必要としているんだよね。
 それに、【彫刻画】はものすごく高いんだ。
 同じ様な表現でも【絵画】と【彫刻】と【彫刻画】では、値段が1桁2桁違うと言われているよ。
 でも、あれは小さな【彫刻画】だし、【背景】の【絵】も良くない。
 人物の【彫刻】もかなり荒削りだね。
 だから、思ったよりも価値は無いよ。
 多分、普通の【絵画】より少し高い値段で買えるレベルじゃないかな?」
「へー。
 そうなんですかにゃん」
 という会話をしていた。
 それが聞こえたのか、【彫刻画】を売っている人物が近づいて来て、
「おうおうおう。
 兄さん。
 俺の【彫刻画】にケチをつけようってのかい?」
 と言ってきた。
 【春日井氏】は、
「い、いえ……
 滅相もない。
 僕はただ、どのくらいの値がつくものかを話していただけで……」
 と答えた。
 男は、
「知らねぇのかい。
 俺の名前は、泣く子も黙る【怒りの彫刻画師(ちょうこくがし)】、【アードルフ・ハーヤネン】と聞いてのいちゃもんか?」
 と言った。

続きます。