「ふん。
 別にお前なんか気にしてないんだからな。
 だけどよ。
 お前がどうしてもって言うのなら泊めてやっても良いかなって思ってる。
 っておい。
 どうして泊まらねぇんだよぉ」
 と言っていた。
 これもやっぱり却下。
 と言うように、【宿屋】を探すだけでも一苦労なのだ。
 彼は【絶世の美形】である。
 ボサボサ頭で居ても、彼のにじみ出る美しい雰囲気は敏感な女性達は嗅ぎ取ってしまうのだ。
 こうして、【春日井氏】は、
 5軒目、
 6軒目、
 7軒目、
 ――と、泊まる場所を諦めた。
 そして、ようやく8軒目にして、
「いらっしゃい。
 お客さん。
 うち泊まるかい?」
 と言ってくれる【宿屋】に巡り会えた。
 今度の受付は男性。
 ならば大丈夫だろうと考えて、そこに泊まる事にしたのだった。
 【宿屋】の名前は【DANKON】。
 宿の雰囲気も男っぽい。
 ならば、問題ないと思って身体を休める事にしたのだった。
 一息ついたところで、【春日井氏】は温泉に入る事にした。
 この【宿屋】には、【露天風呂】がついていて入りたい放題なのだ。
 少々、割高の【宿代】もそう言った理由からだった。
 【春日井氏】は、
「さてと、それじゃあ露天風呂に入ってくるかな。
 混浴みたいだから、【チェルシー】君も一緒に入るかい?」
 と聞いた。
 【チェルシー】は、
「私はお風呂があんまり好きじゃないから、シャワーで十分ですにゃん。
 ご主人様はゆっくり浸かって来てくださいにゃん」
 と言った。
 【春日井氏】は、
「そうかい?
 じゃあ、お言葉に甘えて」
 と言って、露天風呂に向かった。
 脱衣場で服を脱ぎ、タオル片手に【露天風呂】に入る。
 中は広々としていた。
 大体、100人近くは入れるんじゃないかと思えるくらいの広さだった。
 まずは、最低限のマナーから。
 身体を洗ってからじゃないと湯船に浸からないのは常識だ。

続きます。