また、【ポーラ】も、
「そうよ。
 私が目を付けたのよ。
 私が一番なの」
 と言った。
 そう。
 【リサ】も、
 【アグネス】も、
 【ポーラ】も、
 最初から、女豹が獲物を狙うかのごとく、【春日井氏】をターゲットにしていた。
 それは冒険している間、ずっとそうだった。
 それに気付いていたからこそ、【春日井氏】は早くこのパーティーを抜けたかった。
 【リサ】と【アグネス】と【ポーラ】の三人が言い争いをしている隙に、【春日井氏】は、【チェルシー】を連れて、消えていた。
 手紙を一枚残して。
 【手紙】には、
【突然、立ち去る事をお許しください。
 僕は修行の身なので修行の旅に出ます。
 しばらく戻りませんので、探さないでください。
 短い間でしたが、お世話になりました。
 皆さん、お元気で。
 【春日井 清俊】
 【チェルシー】】
 と言う簡単な文章が書かれていた。
 【魔王討伐】の前に逃げるつもりで文章をあらかじめ用意しておいたのだ。
 【春日井氏】は走る。
 ひたすら走る。
 【走行強化】の【術式】を編み、【人外の力】を持って逃げ出していた。
 ある程度距離を取った所で、
「ふぅ。
 危なかった。
 助かった……」
 とつぶやいた。
 共に居た【チェルシー】は、
「今回はあっさり行ったにゃん。
 女の子に捕まったらとっとと【魔王】討伐を済ませておさらばにゃん。
 これで行くにゃん」
 と言った。
 【春日井氏】は、
「出来ればもう、関わりたくないんだけどね。
 そうも行かなさそうだね。
 4回あるという事は5回目もあるんじゃないかと思うな……」
 と言った。
「ご主人様は押しに弱いからにゃん」
「そう言われると何とも言えないな……」
「ご主人様は妙なフェロモンが出ているにゃん」
「そうなのかい?
 じゃあ、今度、それを抑える薬とか考えようかな?」

続きます。