【伝説の勇者】なのに、そんなんで大丈夫ですか?と突っ込みたい所だが、【春日井氏】は、
「どうなさったんですか?
 何かお気に召さない事でも?」
 と空気の読めない事を言った。
 人の気持ちに疎い。
 それが【春日井氏】の欠点の1つだった。
 【リサ】は、
「あなたが強いのはわかる。
 だけど、【魔王】は特別なの。
 無茶苦茶強い。
 だから、今の私達では……」
 と言った。
 【春日井氏】は、
「どのくらい強くなればよろしいのですか?」
 と聞いた。
 【リサ】は、
「少なくとも今の数倍は強くならないと。
 【魔王討伐】には【最後の試練】を突破しないと」
 と言った。
 すると【春日井氏】は、
「なら、こうしませんか?
 【辻褄合わせの魔法陣】を書きますので、それで、皆さんが【最後の試練】を突破した状態にします。
 それで【魔王】を倒しに行って、倒した後で、【最後の試練】を受けてください。
 それで【辻褄】が合います。
 ただし気をつけてください。
 【最後の試練】を突破しないと【魔王討伐】は無効になりますからね。
 後、【魔王戦】では誰も死なないでくださいね。
 死んだら後で【最後の試練】を受けられませんから」
 と言った。
 【リサ】は、
「は?
 何を言って……?」
 と言って目をぱちくりさせている。
 【春日井氏】の言っている事がよくわからなかったのだ。
 すると【チェルシー】は、
「わからない人達にゃん。
 ご主人様は、【力の前借り】が出来るっておっしゃったにゃん。
 それくらい理解しろにゃん」
 と答えた。
 【リサ】達は、
「「「「「「………」」」」」」
 絶句した。
 【春日井氏】と【チェルシー】の言っている事があまりにも現実離れしているので、すぐには理解出来なかったのだ。
 だが、【辻褄合わせの魔法陣】に入ってみると、それが感覚的に理解出来た。
 【リサ】達は、絶大な【力】を得た。
 だが、その【力】は酷く存在感が無く、薄っぺらな【力】だった。
 吹けば飛ぶ様な危うさを持った【力】に過ぎない。
 後で修行をしなくてはこの【力】が無効になるのは感覚的に理解出来た。

続きます。