【チェルシー】は、
「ほらね。
 度肝を抜かれた。
 ご主人様とあんた達とでは器が違うのにゃん。
 ひれ伏しなさいにゃん」
 と言った。
 【ニコラス】は、
「そうじゃなくて、どんな手を使ったんだって聞いたんだよ。
 お前、何者だ?」
 と言った。
 【春日井氏】は、
「はぁ……何者だって聞かれても困りますね。
 僕は【春日井 清俊(かすがい きよとし)】と言います」
 と言うと、【チェスター】が、
「それは聞いた」
 と突っ込んだ。
 【春日井氏】は、
「あ……
 何をしたかですね。
 それを答えれば……
 えぇ~っとですねぇ。
 これは【修行人形】と言いまして、とある【武道家】さんが、尊敬している【師匠】が亡くなって修行が出来ないと嘆いておられたんで、その依頼を受けて、【武道家】さんと近しい人を10分間だけ真似できる人形を作ったんですよ。
 それが、この【修行人形】になります。
 これは、【当人】についている親しい人の【残り香】を吸収して……」
 と説明した。
 しれっと説明しているが、【春日井氏】は自分が凄い事をしたとは全く思って居なかった。
 【魔王軍最高幹部】を【瞬殺】したと言う自覚は全く無かったのだった。
 彼は【無自覚な天才】だった。
 この事があってから男性メンバーのトーンは下がっていった。
 下手に逆らうと何をされるかわからない。
 そう認識されたのだ。
 【春日井氏】にとって居心地が悪いというのは変わりなかったが。
 こうして【魔王】の5人目の【幹部】も撃破して、残すは【魔王城】を残すのみとなった。
 【魔王】はこれまでの相手とは桁が違う。
 更なる修行を積まないと勝てない。
 そうメンバーは思っていた。
 【春日井氏】は、
「じゃあ、【魔王】もサクッと行って倒して来ちゃいましょう。
 冒険はそれで終わりって事で良いですよね?」
 と言った。
 【チェスター】は、
「な、何を言って……んですか……」
 と言った。
 【んですか……】?
 何だか低姿勢である。
 どうやら、【チェスター】は【春日井氏】に恐怖心を持った様だ。
 自分の理解の範疇を超える力を持つ【異能の者】として認識している様だ。

続きます。