少女は続ける。
「他の乗客に迷惑がかかると思って、汽車の中では逃げる事にしたけど、巻き込むつもりなら私にも考えがある。
この私、【リサ・エイマーズ】の名において命ずる。
異空の扉よ開け」
と言った。
すると車中の中の空間が開き、中から、数人の男女が現れた。
その男女はそれぞれ、名乗りを挙げる。
「時空の狭間より現れし、伝説の勇者【チェスター・アクトン】推参」
「呼ばれて来たりてじゃんじゃかじゃん。
伝説の道化師【アグネス・アビントン】登場です」
「虚空の果てより来たりし、伝説の僧侶【ブルーノ・キッドマン】参上」
「彼方より召喚に応じし、伝説の魔法使い【ポーラ・ウィッカム】参りました」
「我呼びしは汝なり、伝説の戦士【ニコラス・プレイステッド】顕現せり」
と言っていた。
全員【伝説】がついていた。
どうやら【伝説】でひとくくりにされているパーティーの様だ
売店のおばちゃんの言っていた【伝説の勇者】達なのだろう。
気付いたら【汽車】の中ではなく、別の異空間になっている。
【汽車】の中は狭いと判断して、別の空間に誘い込んだのだろう。
だが、それは、余所でやって欲しいと思う【春日井氏】だった。
彼も異空間に来ている。
というより、無理矢理飛ばされたのだ。
敵を倒したいのであれば、わざわざ彼まで別の異空間に飛ばす必要はないのだ。
なのに飛ばれてしまった。
何でだ?
そんな【春日井氏】の不満を余所に、彼等は、あっという間に暴漢達を叩きのめした。
暴漢が全滅した時点で、【リサ】が【春日井氏】に声をかける。
「あの……
大丈夫でしたか?」
と。
大丈夫も何もあなたが「汽車」に乗ってこなかったら、自分は平穏無事に旅を続けられましたよと言う抗議の声をあげたかったが、ここは大人の対応として、【春日井氏】は、
「はぁ……
まぁ……
大丈夫……です」
と答えた。
【リサ】は、
「あの……。
この異空間には全く【フォース】の無い人は来られないんです。
実はあなた、かなりの実力者なのでは?」
と言った。
【春日井氏】は思った。
(はぁ……
また、来たよ……)
と。
続きます。