【春日井氏】は、
「え?
そ、それはどういう……」
【意味でしょう?】と言い終わる前に胸ぐらをつかまれ、
「隠すとためにならんぞ。
言え。
何処に隠した?
殺されたいのか?」
と言われた。
どういう事か?
【隠した?】
意味がわからない。
だが、男の言っている事は確かにそうだと納得が行く。
先ほどの少女は7号車から6号車に入ってきたが、5号車へ行く扉は開けていない。
にも関わらず、この6号車からは姿を消しているのだから。
消えた少女――この男達からすれば何処に隠したと思っても決しておかしな事ではない。
現に5号車の方からはこの男達の仲間と思われる別の男達が現れている。
つまり挟みうちにしていたのに忽然と少女が消えたという事になるのだ。
【春日井氏】は、
「し、知りません。
僕は何も知りません」
と言って否定した。
男は、
「どうやら拷問が必要な様だな。
こっちへ来い」
と言って、座席から引きずりだそうとする。
【春日井氏】は、
「やめてください。
やめて……」
と言うと、彼が持ってきた鞄が開き、中から少女が出てきた。
先ほどの少女だ。
どうやら、【春日井氏】の鞄に隠れてやり過ごそうとしていた様だ。
少女は、
「その人は関係ない。
離しなさい」
と言った。
【春日井氏】は思った。
(関係ないと思うのなら、僕の鞄の中に隠れないで欲しかった……)
と。
続きます。