「お前さんなぁ。
 一般のサラリーマンが月にいくら稼いでおるか、知っておるのか?」
「サラリーマン?
 知らないわよ、そんなの。
 私は玉の輿に乗るって決めているんだから」
「天秤は重い方に傾くんじゃぞ。
 いくら見てくれが良くとも、中味がスッカスカじゃと、ろくな縁談は来んぞ。
 すこしは、あの子を見習ったらどうじゃ?」
「あの子ってどの子よ?」
「お前さんの末の妹じゃよ。
 あの子は良い。
 あの子ならば良い縁談はいくらでも来るだろうのぅ」