第一章 木の【越果】に来た少年


「うわっ……」
 少年はまたびっくりした。
 おっかなびっくりで進んでいる。
 少年の名前は【咲満】と書いて【さくま】だ。
 名字は忘れた。
 【さくま】は【KAMUI】によって【木の越果】に割り振られた少年だった。
 12名の少年の中でもとびっきり臆病な少年だ。
 何で自分が12人の中に選ばれたのかわからないが、とにかく彼はたった1人で【木の越果】に放り出された。
 手荷物は12本のキーだけだ。
 後は何もない。
 それで、【事典】を埋めろと言われてもどうしようも無かった。