正気じゃ無い彼女にいくら詫びても意味は無い。
 しっかりと元に戻して、それからだ。
 それから、腹をかっさばいたり、頭を地面にこすりつけてでも謝ろう。
 琴太はそう考えていた。
 自分の命を賭けてでも、偲を正気に戻す。
 その覚悟をしていた。
 琴太の目にはもはや偲本人しか映っていない。