ぐぬぬぬぬ……
 何処までも口の減らない【女】だ。
 ああ言えばこう言う。
 俺がいくら皮肉を込めて言ってものらりくらりとかわして、逆に俺がショックを受ける様な言葉で間髪入れずに、すぐに倍にして返してくる。
 言い返してやりたいが口では勝てる気がしない。
 言えば、更にダメージを受けそうな言葉で返されると思う。
 言えば言うほど土壺にはまるってやつだ。
 だがしかし――だがしかしだ。
 これだけは――これだけは言ってやりたい。
 ……言いたいんだ。
 だから、俺は声を絞る様に、
「必ず、お前を振り向かせてやる――必ずだ」
 と言った。
 これが精一杯だった。
 【内村 理沙】は、
「あら、そ――ずいぶん、情熱的な告白ね」
 と言ってきた。
 この【女】が本気でそれを【告白】と受け取ったかどうかは解らない。
 俺自身もそれが、【愛の告白】か【皮肉を込めた挑戦状】か、理解出来ていない。
 心に響いたイメージをそのまま口にしただけだからだ。
 だから、俺自身、この【女】をどうしたいか解らない。
 果たして殺したいのか、恋人になりたいのか?
 本当に――ホントの本当に解らないんだ。
 自分の感情が全く解らない。
 それだけ、俺はこの【女】に狂わされている。
 負けたら【臓器】を売ることになり、生きていたとしても俺は正真正銘、【破滅】する事になるだろう。
 こんな状況に追い込んだ、この【悪女】を俺はまだ憎みきれていない――ひょっとしたら【愛しているのかも】――知れない。
 認めたくは無いがそれは否定出来ないだろう。
 こんな目にあってまで――俺はマゾなのかも知れないな。
 俺はもう、普通の生活には戻れないかも知れないな。
 この【女】に誘われた、【闇のゲーム】にどっぷり浸かろうとしている。