次から次へと不思議な手品を披露する勇治先輩。
 楽しい一時だった。
 そして、ショーも大詰め、いよいよ、最後の大マジックを残すのみとなった。
「皆さん、楽しんでいただけましたでしょうか?
 残すところは最後の大マジック。
 なんと、美女を土塊に変えるというマジックです」
「おぉー」
「いいぞー」
「川瀬君、彼女、お借りしていいかな?」
 客席の後ろにいた榮一郎先輩が浩紀に声をかける。
 あぁ、パンドラでマジックをしてくれるんだ……。
 そう、思った。
 粋な事をしてくれると素直に喜んだ。
「……良いですよ。
 彼女をよろしくお願いします」
「……そう、良かった。
 本当に良かった」
 榮一郎は大げさに喜んだ。
 ちょっとオーバーだなと思ったが浩紀は殆ど気にもしなかった。