11 救い手

「川瀬君……」
「え……何?、何ですか?」
 突然、浩紀に話しかけたのは一つ上の先輩、松村榮一郎(まつむらえいいちろう)だった。
 霊感が強いことで有名な先輩だった。
「その……、何て言うか……
 君の周りで大勢、知り合いが亡くなったりしていないかい?」
 もちろん、図星だった。
 浩紀の周りでは、認識しているだけでも、18人がここ2ヶ月の間に亡くなっている。
 それも、殆どが変死だ。
「……いえ、……別に……」
 浩紀はウソをついた。
 パンドラがいれば何もいらない……。
 そう思っていたのだ。
 余計な詮索をされたくない。
 そうも思っていた。