4 石棺の中

 祥吾との会話を終えて、浩紀はアパートに帰ってから、しばらく、小さな石棺を眺めていた。
 ずっと考えていた。
 羽住は何でこんなものを残して死んだのだろうかと……
 羽住は祥吾の事をどう思っていたのだろう……
 出会った時は吐き気がするくらい嫌いだと言っていたのに……
 あんな奴と付き合うくらいなら死んだ方がましだと言っていたのに……
 そんな男と婚約、ついには命を落とすという人生だった。
 彼女の人生はどんな人生だったのだろう。
 借金を肩代わりしてもらうため、身を売る様な感じで好きでも無い男との結婚を強要され、好きな男とも別れなければならなかった事。
 イヤイヤ行った婚前旅行で死ぬ事になった事。
 救いがない。