1 発端

「……浩紀(ひろき)か?
 ちょっと話があるんだ……
 悪いが来てくれないか……」
 川瀬 浩紀(かわせ ひろき)は大して親しい訳ではなかったのだが、かなりの金持ちだと有名だった倉持 祥吾(くらもち しょうご)に呼び出されていた。
 浩紀は苦学生。
 遠く北海道からはるばる上京して来たが、両親の仕送りだけでは、大学にも通えないので、日々をアルバイトをしてそれを補填する生活をしていた。
 そのため日々アルバイトに明け暮れる毎日だった。