噂じゃ、しょんべん垂れ流してこれ以上ねぇ、無様な面でくたばったそうだ。
 【希代の英雄】とまで言われた男がつまんねぇ死に方をしたもんだ。
 ざまぁ見ろ――と思ったのもつかの間、俺にとってもそれは最悪の状況だと言うことを気づかされた。
 そう――奴は、【札月 るわ】として、殺されたんだ。
 【札月 るは】は最低のクズとして殺されてしまった。
 つまり、今更、俺が【札月 るわ】に戻る事が出来なくなってしまった。
 【札月 るわ】に戻って生きてましたと言っても両親も含めてもはや俺の居場所は無かった。
 俺の親族は何処かに夜逃げして、俺が頼れる様な人間は1人も居ない。
 だから、俺は、嫌でも【雨条 雪寿納】として、生きていくしか無くなった。