やり方は何の脈絡も無く変えるだけなのだが、【目的の物】は必ずゲットしている。
まるで、【美麗小町】の悪意に気付き、それを回避しているかの様に、【上抜 訡芯】は、やり過ごしているのだ。
他にも、【美麗小町】は色んな方法を持って【上抜 訡芯】にアプローチを仕掛けようとするが、仕掛ける前の段階でするりと交わされてしまう。
出逢っても居ないのに、翻弄されている?
そんな錯覚さえ起こしてしまう。
そんな感じで、右往左往している【美麗小町】の元に、【艶美太夫】がやって来て、
「どう?
少しは理解出来たかしら?
【旦那】の凄さが。
【旦那】はね、強い悪意があれば、それが自分の手に届く前に、回避する事が出来るのさ。
悪意のある者は、何が何だかわからない内に、翻弄されてしまう。
マヌケなのは【旦那】と言うより、むしろ悪意を持って彼に近づこうとする輩になる。
あたしはね、【旦那】のその力を感じ取った時、震えたわ。
こんなに凄い男が居たなんてね。
男を騙くらかして、利益を得る?
はっ、小さい小さい。
あたしは何て小さいんだって思い知らされたわ。
と、同時に【旦那】の行く末を見てみたいって思った。
この男はこの先、何をするんだ?何を見せてくれるんだ?
……そう、思ったら、【大ファン】になっちまったのさ。
【才能】に惚れちまったらあたしの負けさ。
あたしは【旦那】に負けた。
心から降伏した。
負けを認めちまったら【女狐一族】としては失格だろ?
だから、あたしは一族を抜けたのさ。
だけどね、断言するよ。
例え、一族全員でかかっても【旦那】の足下にも及ばないってね。
それくらいの器のでかい男さ、【旦那】はね。
あんたはもう少し、男を見る目を養った方が良いよ。
【旦那】は良い男さ。
それが解らない内はあんたは半人前ってことさね」
と言った。