あれに関わると全てが終わりだ。
それだけはわかった。
もはや、【ヴィホヂット】は【カルメン】の記憶を持たない。
持たないが何かが存在ごと消し飛ばされたという恐怖だけは伝わった。
【ヴィホヂット】は今更ながらに盗賊達が言っていたことを思い出した。
盗賊達は口々に、
「あれはやばい……」
「あんなものに関わっていたら破滅する……」
「あれを動かしたら身の破滅だ」
等と言っていた。
その事が現実のものになろうとしていた。
あれはタティーへの嫌がらせのために盗っただけのアイテムだ。
あれを使って何かをしようと思った事は一度もない。
そう自分に言い訳をする【ヴィホヂット】。
決して、自分が悪いとは思わない。
だが、そんな言い訳が【789番ヴェール】に通用するはずも無い。
【ヴィホヂット】は逃げた。