そして、その不安は的中することになる。
 フルテララが懸念していたのは、【ヴィホヂット】の悪行についてだ。
 フルテララは何も【ヴィホヂット】が【ヴェール】の起動キーを起動させるとは思っていない。
 【ヴィホヂット】には【ヴェール】を起動させる方法がわかって居ないのだから。
 それよりも【ヴィホヂット】の悪行が、【ヴェール】の判断基準を超えた時、【ヴェール】は自動的に起動する。
 【ヴェール】のクアンスティータ学をもってしても不明とされるブラックボックスの部分――それは、神話の時代より続く、偽クアンスティータの要素を一部取り込んでいるからこそ、そこは、ブラックボックスとなっていたのだ。
 偽クアンスティータの本分はクアンスティータに取って害悪となる存在の排除だ。
 つまり、【ヴィホヂット】の悪行が、【ヴェール】の逆鱗に触れた時、それは起動するのだ。