コツコツコツ――
と足音が響き渡り、女従官の一人が、
「土の神姫巫女、フルテララ様、お見えになりました」
と言った。
土の神姫巫女――フルテララ――そこでタティーは初めて、土の神姫巫女の名前を知った。
――そう、今まで、神姫巫女の名前も知らずに来ていたのだ。
調査に来たのに調査対象の名前すら知らなかったとはずいぶんな話だった。
タティーが、見た、フルテララ――
それは、禊ぎを済ませた後というのもあるだろうが、恐ろしいほどの神々しさを感じさせる女性だった。
本来、自分では目通りすらかなわないはずの雲の上の上の更に上の様な存在。
それが、フルテララに感じた印象だった。
クアンスティータの偽者という立場で無ければ近づくどころか見る事さえかなわない存在。