領主となることよりもタティーへのアプローチを選択した男の笑顔に思わずぽっとなるタティーだった。
 自分のためにそこまでしてくれたというのが正直、うれしかったのだ。
 だが、彼はまだ、タティーの入浴シーンを覗くという悪い趣味がある。
 まずは、これを改善してもらわないと正式に付き合う事など考えられなかった。
 だが、【エニグマ】は、
「悪い、それはおれっちは譲れねぇな。覗くなと言われても体が勝手に……な」
 と言った。
 【エニグマ】がタティーのハートを射止めるのはまだ先の事になりそうだった。
 【エニグマ】が領主の座を退くにあたって出した条件が一つ――それは、【ヴィホヂット】一味の国外退去命令を出す事だった。