【カルメン】としては【ヴィホヂット】の出す条件を飲むしかないのだが、【カルメン】もある程度、それが善か悪かを見極める力はある。
 【ヴィホヂット】は間違い無く悪の側の女だというのがわかっていた。
 【カルメン】にとっては、善とはお人好しの間抜け、悪とは自分の欲望に素直な者ととらえていた。
 そういう意味では自分の悪行に素直な【ヴィホヂット】は【カルメン】にとっては信用出来る存在と言える。
 だが、悪が必ずしも自分の味方であるとは限らない。
 利害の一致こそが悪と手を結ぶ最低条件だった。