彼女だけはまだ洗脳されたままだった。
 だが、【ヴィホヂット】は理解した。
 彼女に【ヴェール】の起動キーを見せたら彼女の洗脳も解けてしまう。
 そうなったら、自分は一人だ。
 それはまずい。
 それだけは避けなくてはと思うのだった。
 その日の夜、【ヴィホヂット】は悪夢を見ることになる。
 これまでの様に【プライス】にフラれるという悪夢では無い。
 なんだかわからないものに追い回される悪夢だった。
 本能の部分では【ヴェール】の起動キーを恐れているのだ。
 だが、表層意識では、理解して居なかった。