諦めるしか無いのかと暗い気持ちになっていると後から着いた善峰が、
「慌てるでない。これは盗まれないようにわしが出て行く前に施しておいた処理じゃ。【仙王神桃】はそう簡単に枯れたりせん」
 と言って、なにやら呪文のようなものを唱え始めた。
 すると、それに従って、みるみる、みずみずしさを取り戻していく桃の木。
 一分後には見るからにおいしそうな桃が実っていた。
 だが、【仙王神桃】がどれだかわからない。
 見たところ100種類以上の桃がなっている。
 善峰は、その中から二つ指さす。
「あれとあれじゃ。取って絞り汁を二人に飲ませてやるといい」
 と言った。