これまでたくさん不思議な現象を目撃してきた彼女にとってはさして驚く事でもなかったのだが、この霧は何かがおかしかった。
使用を許可されているオレンジの光体がそう告げていた。
察するに、これが、霧の幻という相手なのかも知れない。
濃霧の中に存在が居るような居ない様な不思議な気配が感じられた。
何が起きるかわからない。
そんな不安が彼女を包んでいた。
キャリアの不安をよそに、特別仙人の
「それでは試合はじめ」
というかけ声がかかった。
とにかく、やるしかない。
キャリアは霧の中で気配を探り攻撃を仕掛けようとした。
だが、この気配はキャトラのものに感じられた。
濃霧で、キャトラが闘技場に上がり込んでしまったのかと感じ、攻撃を躊躇するが、キャトラの気配は攻撃をしてきた。